レッスン 4
数字・日付・テキストの正しい入れ方
「気をつけて入力する」をやめて、まちがえられない表を作ります。
このレッスンでわかること
- 数字・日付・テキストの「型」がわかる
- 型がずれると、集計からもれるとわかる
- 入力規則で、まちがえられない表を作れる
形は正しいのに、合計が合わない
L3で学んだ「1行1件・1列1種類」の形で、毎日の売上を3人で入力することにしました。
ところが月末にSUMで合計すると、なぜか金額が少なく出ます。
原因は、表の形ではなくセルの中身です。
同じ「売上」の列でも、人によって入れ方がちがっていたのです。
今日の結論
列ごとに「型」をそろえると、集計ミスがなくなります。
そして型をそろえるのは、人の注意ではなく入力規則(仕組み)の仕事です。
スプレッドシートは、値を3つの型で見ている
セルに入れた値は、数値・日付・テキストのどれかとして扱われます。
計算や並び替えができるのは、数値と日付だけです。
- 型 1 数値
-
良い例 540000
ダメな例 540000(全角)、540,000円(単位つき)、約54万(あいまい)
単位は列名に「売上(円)」と書きます。カンマは「表示形式」でつけられます。
- 型 2 日付
-
良い例 2025/05/01
ダメな例 5/1(木)(曜日つき)、5月上旬、GW明け
年まで入れます。曜日が見たいときも、入力せずに「表示形式」で出せます。
- 型 3 テキスト(文字)
-
良い例 松本店(いつも同じ書き方)
ダメな例 松本 店、まつもと店、松本店(臨時)
人には同じ店に見えても、1文字ちがえば別の店として集計されます。補足は別の列に書きます。
見分けるコツ:右に寄るか、左に寄るか
ExcelもGoogleスプレッドシートも、何も設定しなければ数値と日付は右寄せ、テキストは左寄せで表示されます。
数字のつもりの値が左に寄っていたら、テキストになっているサインです。
セルに入れてみよう
| A1 |
この値の型
※ CSVを読み込んだときのふるまいを簡単に再現したものです。アプリや設定によって、少しちがうことがあります。
入力規則をかけてみよう
3人が入力した売上表です。入力規則は、列ごとに「入れてよい値」を決めておく機能です。
まずは規則なしで見て、次に規則をかけてみましょう。
5月 売上入力.xlsx
| 日付 | 店舗名 | 売上(円) | 入力者 | |
- SUMで数えられた売上
- ¥
- 合計からもれた行
- 行
- 店舗の種類
- 種類
- 本当は3店舗
赤い印がついたセルが 個
規則をかけても、すでに入っている値は消えません。印がつくだけです。
でも、ここから先の入力では、まちがった値はもう入れられません。下で試してみましょう。
1行、入力してみよう
規則なしでは、何を入れても受けつけます。わざと「5/4(日)」や「20万円」を入れてみてください。
規則ありでは、店舗名はリストから選ぶだけ。同じように「20万円」を入れてみてください。
入力した値は無効です(入力を拒否しました)
表の最後に1行追加しました。上の数字も確かめてみましょう。
入力規則の設定方法
ExcelでもGoogleスプレッドシートでも、同じように設定できます。よく使うのは次の3つです。
-
1
列を選ぶ
見出しの行はふくめず、データを入れる範囲(例:C2:C1000)を選びます。
-
2
入力規則の画面を開く
メニューの「データ」→「データの入力規則」→「ルールを追加」。
「データ」タブ →「データの入力規則」→「設定」タブ。
-
3
条件を決める
下の表を見て、列に合った条件を選びます。
-
4
まちがった値は「拒否」にする
「詳細オプション」の「無効なデータの場合」で「入力を拒否」を選びます。
「エラーメッセージ」タブで、スタイルを「停止」にします。
- 売上の列 数値だけを許可する
- 条件「次の値以上」で 0 を指定します。数値でない値は受けつけません。 入力値の種類「整数」、データ「次の値以上」、最小値 0。「日本語入力」タブで「オフ(英語モード)」にすると、全角の入力も防げます。
- 日付の列 日付の形を固定する
- 条件「有効な日付」を選びます。見た目の形は「表示形式」→「数字」→「日付」でそろえます。 入力値の種類「日付」、データ「次の値以上」、開始日 2025/1/1 など。見た目の形は「セルの書式設定」でそろえます。
- 店舗名の列 リストから選ばせる
- 条件「プルダウン」で、松本店・長野店・上田店を登録します。表記ゆれがなくなります。 入力値の種類「リスト」、元の値に 松本店,長野店,上田店 とカンマ区切りで入れます。表記ゆれがなくなります。
上の売上表をCSVで用意しました。読み込んで、3つの規則を実際にかけてみましょう。
練習用のCSVを開く →入力規則だけでは防げないこと
便利な仕組みですが、万能ではありません。3つだけ覚えておきましょう。
- 「警告」だけでは止まらない
- 警告は、無視すればそのまま入力できます。確実に止めたい列は「拒否」にします。
- すでに入っている値は、自分で直す
- 規則は、これからの入力をチェックします。前からある値は印がつくだけです。 Excelでは「データの入力規則」の横の▼から「無効データのマーク」で赤丸をつけられます。
- コピー&貼り付けで、すり抜けることがある
- 別の表から貼り付けると、規則ごと上書きされることがあります。貼り付けるときは「値のみ貼り付け」を使います。
コラム:毎日たくさん入力するなら
入力規則は、今日からできる対策です。
ただ、何人もが毎日入力する業務なら、Googleフォームや業務システムから入力してもらい、表には自動でたまる形にするのが根本的な解決です。
次のレッスンにつながる視点
これから入るデータは守れるようになりました。次は、すでに汚れているデータを直します。
- L5〜
- フィルターや関数を使って、長野県の実データを前処理します。
- L10
- 今日の入力規則を、チームで守る入力ルールにまとめます。
やってみよう
問題 1
「売上(円)」の列に入れたとき、数値として正しく集計されるのはどれですか?
問題 2
「松本店」「松本 店」「まつもと店」のような表記ゆれを防ぐのに、いちばん効く入力規則はどれですか?
問題 3
入力ミスを減らすために、いちばん長く効果が続くのはどれですか?