レッスン 3
1行1件・1列1種類——データの基本ルール
人間が読むための表と、データとして使うための表はちがうと体で覚えます。
このレッスンでわかること
- 1行1件・1列1種類の意味がわかる
- 人間が読むための表と、集計しやすい表の違いがわかる
- L4以降で入力規則や前処理を学ぶ土台ができる
きれいに見える表でも、使いやすいとは限らない
L2では、表の乱れが毎月のコストになると見ました。
でも問題は、全角数字や空欄だけではありません。表の作り方そのものが、集計しにくさを生むこともあります。
レッスン1でやったことを思い出してください
L1で長野県のデータをきれいにしたとき、1行に1市町村・1列に1種類の情報を並べた形が完成しました。
あの形こそが、このレッスンで学ぶ「データとして使うための表」の基本ルールそのものです。
今日の結論
データとして使う表は、1行に1件、1列に1種類が基本です。
この形になっていると、並び替え・フィルター・ピボット・グラフ・AI活用まで全部つながります。
悪い表と良い表を見比べよう
同じ売上データでも、表の形を変えるだけで使いやすさが大きく変わります。
人間が読むための表(見た目はわかりやすい)
| 2025年上期 店舗別売上まとめ | |||||
| 店舗ID | 店舗名 | 4月売上 | 5月売上 | 6月売上 | 合計 |
| ST01 | 松本店 | 540000 | 558000 | 561000 | 1659000 |
| ST02 | 長野店 | 612000 | 605000 | 598000 | 1815000 |
| ST03 | 上田店 | 423000 | 418000 | 420000 | 1261000 |
- 月が列に増え続ける
- 7月、8月が来るたびに列が増え、表の形がどんどん横に広がります。
- 合計が混ざる
- 元データと集計結果が同じ表に入り、あとで再集計するときにじゃまになります。
- AIにも説明しづらい
- 1行が「店舗1件」なのか「店舗×月1件」なのかがあいまいです。
データとして使うための表(集計しやすい)
| 店舗ID | 店舗名 | 月 | 売上 |
| ST01 | 松本店 | 2025-04 | 540000 |
| ST01 | 松本店 | 2025-05 | 558000 |
| ST01 | 松本店 | 2025-06 | 561000 |
| ST02 | 長野店 | 2025-04 | 612000 |
| ST02 | 長野店 | 2025-05 | 605000 |
| ST02 | 長野店 | 2025-06 | 598000 |
- 1行 = 1件
- 「1店舗の1か月分の売上」という単位が、すべての行でそろっています。
- 1列 = 1種類
- 月は「月」、売上は「売上」の列だけに入るので、ルールがぶれません。
- そのまま使い回せる
- フィルター、ピボット、グラフ、AIへの受け渡しが同じ形のままでできます。
2つのルールを体で覚える
この2つが、これからのレッスンの土台です。
- ルール 1 1行1件
-
1行には、同じ粒度のデータを1件だけ入れます。
今回なら「1店舗の1か月分の売上」が1件です。 - ルール 2 1列1種類
-
1つの列には、1つの意味だけを入れます。
「月」の列には月だけ、「売上」の列には数字だけが入る状態です。
人間が読むための表を否定しているわけではありません
上司に見せる資料や印刷用の表としては、月が横に並ぶ形が便利なこともあります。
ただし、その前の元データは「使うための形」で持っておくのが安全です。
次のレッスンにつながる視点
良い形がわかったら、次はその形を壊さない入力方法を作ります。
- L4
- 数字・日付・テキストの入力規則を作って、そもそも間違えにくい表にします。
- L5〜
- この形を前提に、長野県の実データを前処理し、ピボットやグラフに進みます。
やってみよう
問題 1
「1行1件」とは、どういう意味ですか?
問題 2
「4月売上」「5月売上」「6月売上」と月ごとに列を増やす表が扱いにくい理由として、いちばん近いものはどれですか?
問題 3
「データとして使うための表」で、月の情報はどこに入れるのがよいですか?